――『バイオニック コマンドー』開発の経緯をお教えください。 このタイトルは約 20 年前に発売された 『ヒットラーの復活』の続編になっています。ゲームの海外市場が拡大している中、カプコンもグローバル化を目指して、海外ユーザーの皆さんにアピールすべくいろいろ工夫しております。その中で、この『バイオニック コマンドー』も、海外ユーザーを視野に入れた新たなチャレンジとして、カプコン ジャパン社内の優秀なデザイナーのアドバイスを受けつつ、海外の開発スタジオとチームを組んで開発が進められました。もともと、20 年前に発売されたオリジナル版が、海外ではすごく人気があったんです。私がカプコン ジャパンに入社したときに、「『バイオニック コマンドー』の続編は作らないんですか?」と色々な日本人プロデューサーの方々に言ったら、「なんじゃそりゃ」という反応が返ってきて。「そうなんや、あのゲームは日本ではヒットしてなかったんや」ということがそれでわかったのですが、海外ではあれだけ人気があったのに、とちょっとびっくりしました。私は個人的に、『バイオニック コマンドー』のスウィングアクションを 3D 空間の中で実現したい、どうしても作ってみたい、と思ったのです。グローバル的な戦略にも合うし、あれだけ海外でヒットした作品ですから、充分、続編を作る価値はあるだろうということで、そこからいろいろ社内でアピールをしていって、開発が実現しました。
――『バイオニック コマンドー』ならではの魅力とはどんなところにあると思いますか? まずやはり、スウィングの楽しさですね。ゲーム中、主人公は「バイオニックアーム」という武器かつ移動装置を使って、プラットフォームから次のプラットフォームへスウィングしながら移動していくのですが、そのスウィングの感覚が最大の特徴でもあります。たとえば、どんな人でもブランコに乗ったことはありますよね? ブランコと同じように、非常に感覚的で、ちょっとしたスリルもあるスウィングの楽しさを味わっていただけるところだと思います。 
それと、もうひとつは、最後まであきらめなければ突破口が見つかるというゲーム性の部分。これは、私自身が昔、オリジナル版をプレイして、すごくイイなと思ったところなのですが、たとえば落とし穴があるとして、それをワイヤーを使って乗り越えようとする。自分がそのワイヤーをフックする場所を間違えて、結局、落とし穴のど真ん中に落ちてしまったとしても、落ちながらもう 1 回、えいっと自分のワイヤーを必死で出してみる。そうすると、ギリギリ間一髪のところで、どこかにフックして助かるというようなシチュエーションが何度もあったんです。昔のゲームだと、自分がジャンプするタイミングをミスしたらすぐゲームオーバーになってしまうというものが多かったのですが、この作品は、ミスしてももう 1 回チャンスがある。「ああ~! よかった、助かったぁ」という感動を何度も味わえるゲームなんです。今回の『バイオニック コマンドー』でも、そうした直感的な感覚は大事にしています。 ――開発にあたり、一番こだわった点は? やはりスウィングアクションです。ここは、最も開発チームの中でもめた部分でもあります。ユーザーによりスキルを求めるシビアなものにするのか、それとももっとユーザーが入り込みやすいものにするのか、そのちょうどいいバランスを見極めるのが大変でした。実際、ある程度スウィングの要素ができてきた段階では、補佐的な機能が一切なく、もっとシビアなものだったんです。開発陣の 8 割くらいはもうそれで問題なくプレイできていたんですが、ただ、このタイトルは、FPS ゲーマーだけじゃなくて、『デビル メイ クライ』シリーズのようなアクションゲームが好きなユーザーもプレイできるものにしたかった。だから、もう少し入りやすいスウィング要素にしないといけない。でも、自分が頑張ってある程度スキルアップしないと先に進められないという、歯ごたえのあるゲーム性も実現したい。そこからさらにいろいろとバランスを調整して、最終的にはちょうど自分が目指したかったところに落ち着いたと思います。 
――「バイオニックアーム」を上手に使うコツは? まず「焦るな」ということですね (笑)。左トリガーを押しっぱなしにすると、距離的に届くオブジェがあればワイヤーが自動的にそこに飛んで行きます。フックした状態で、スウィングが自動的に始まるので、焦らずに、まずはスウィングして周囲をよく見てみる。そうしたら次はワイヤーを放すタイミング。ここが、このゲームでみんなが一番苦労するところだと思いますが、ブランコを想像してみてください。自分がブランコを漕いでいて、一番高いところで飛び降りたら、そのまま上に飛んでしまう。そうじゃなくて、前の方に行きたいなら、一番高いところよりちょっと前に飛び降りる必要がある。スウィングもそれと同じで、意識して自分がワイヤーを放すタイミングより、1 秒くらい早く放せば、もっと前の方へ飛んで行くので、そのタイミングを自分なりに掴んでいただければと思います。 ――どんな場所へもスウィングして行けるのですか? このタイトルで本当にここは自慢したいところなのですが、空間が横に広いだけじゃなく、縦にも高いので、非常に広大な世界で、色々な場所に行くことができます。個人的に、おすすめの場所は渓谷のステージですね。渓谷だけでなく、海の見える港や、夕焼けがキレイなステージなどもいろいろあるので、単に景色を見ながらスウィングしていっても楽しいと思いますよ。 
ただ、わざと自由にスウィングできないような狭いエリアも入れています。このゲームはそういった “波” をとても大切にしているんです。たとえば私はピザが好きなんですが、毎日ピザを食べていたらきっとピザのおいしさは減ってきますよね。ところどころヘルシーなものも入れているから、ピザを食べるときは「あぁ、ピザおいしいわー」って思うわけで (笑)。だから、スウィングも同じように、広いスペースのあとはわざと狭いスペース、でまた広いスペースに出て……というな “波” を作っています。これはスペースだけの話でなく、ゲームの中で、戦闘が激しいところもあるし、敵があまり出なくてスウィングをしながら景色をゆっくりと楽しめるようなところもあるので、飽きずに楽しんでいただけると思います。 ――オンライン マルチプレイについてお教えください。 オンライン マルチプレイでは、個人戦、チーム戦などいくつかのモードを用意しています。最初からこのゲームには、マルチプレイの要素をどうしても入れたいなと思っていました。ゲームによっては、シングルプレイとマルチプレイで、内容を大きく調整しないと成り立たない場合もあります。でも、この作品は、そんなに大きな調整をしなくても、スウィング要素が入るだけでマルチプレイがめっちゃ楽しくなるということが分かって。マルチプレイでは、見つからないような場所から隠れて敵を狙って、倒していくというのが基本ですが、スウィングが入ることによって、また違ったバランスが生まれるんです。スウィング中は移動スピードが速いので、非常に当たりにくい。ただ、スウィングは派手なアクションなので、すぐに敵から自分がどこにいるかわかってしまうという不利な点もある。自分がいつスウィングするか、常に状況判断をしなければならない部分があって、そこが非常に面白いですね。ほかのゲームではあまり感じたことのない感覚を味わっていただけると思いますよ。 ――Xbox LIVE アーケードで配信中の『バイオニック コマンドー:マスター D 復活計画』との関連性は? 『マスター D 復活計画』は、20 年前に発売されたオリジナル版のリメイクということですが、今回はその続編になっていて、その 2 つを合わせることで、主人公であるネイソン・スペンサーのストーリーがだいたいわかるようになっています。また、これまでになかった試みとして、両タイトルで連動要素があります。同じ本体に『マスター D 復活計画』を持っているだけで、今回のパッケージ版でも、同じオリジナル版のコスチュームで最初からプレイできるようになっています。さらに『マスター D 復活計画』の中にいくつか隠しアイテムがあるのですが、それを入手すると、またこちらの方でも隠しアイテムを手に入れることができます。やはり両方プレイして、この『バイオニック コマンドー』の世界をより深く楽しんでいただけたら嬉しいですね。 
――ユーザーの皆さんにメッセージをどうぞ! ビデオゲームはもう数十年の長い歴史がありますが、ある程度パターン化してきている部分があります。そうなると、やはり同じように長い歴史のあるゲーム会社は、今まで作ってきたゲームの中で何がよかったのかをじっくり振り返ってみる必要があるんじゃないかと思います。我々カプコンも、さまざまな良作ゲームをこれまで産み出してきた中で、私が子供のときにすごく楽しんだ『バイオニック コマンドー』があって。じゃあ、現在、それを 3D で再現したらどうなるかを色々と考えて作ってみたら、パターン化したものではなくて、これまでとはまったく違う新鮮なゲームが出来上がりました。最近「ちょっとゲームがマンネリかな」と思っているユーザーにも、また、昔のゲームが大好きだった方にも、ぜひこの作品をプレイしていただきたいと思います。また、水木一郎さんの歌う『バイオニック コマンドー』の熱いテーマソングが CD 化されることが決定しました。6 月 10 日発売ですので、こちらもぜひ聴いてみてください!
『バイオニック コマンドー』プロデューサーベン ジャッド 氏のインタビュー映像が、「インサイド Xbox」でご覧いただけます。
<視聴方法> Xbox 360 ダッシュボード > インサイド Xbox > インサイド トーク
『バイオニック コマンドー』 ゲーム概要 バイオニック・アームを装着せよ!20 年の年月を経て、いよいよ待ちに待ったシリーズ最新作『バイオニック コマンドー』が Xbox 360 に登場。 8 ビット機から目を見張るような 3D の世界に生まれ変わった『バイオニック コマンドー』。高層ビル群、宙づりになった車道やモノレール、深い峡谷、切り立った岸壁などは、すべてワイヤーを引っかけてぶら下がったり、足場にして飛んだり、登ったり、壁歩きをすることが可能となっている。 ゲーム詳細情報はこちら
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