――『Fatal Inertia』の「フライングコンバットレース」とはどのようなゲーム ジャンルなのでしょうか? これはもうそのまま読んで字のごとく、フライングとコンバットとレースを全部くっつけちゃったようなゲームです (笑)。単純にレースゲームとくくってしまうのではなく、”フライング” であり “コンバット” であるという部分にポイントを置いています。フライトといっても実際はホバリングみたいな感覚なのですが。大自然の中をハイスピードで駆け抜けるという爽快感をテーマとしながら、ただ速さを競うのではなくて、武器を使って、「コンバット」の部分をいかにコントロールしていくか。そこが、このゲームの大きなポイントです。

――本作の大きな魅力をお教えください。 やはり「コンバット」の要素が 1 番大きな特長といえます。どんな武器を使って、いかに効果的に相手の邪魔をするか、逆に自分は相手の邪魔をどうやってうまく切り抜けていくか。戦略をあれこれ考えながら、誰よりも速くゴールを目指すというところがこのゲームの醍醐味です。登場する武器は、シューティングのように相手に直接ダメージを与えるものではなく、相手が通常通りに飛行できなくなるような、何らかの影響を与えるためのものです。このゲームデザインの発想は、最近、アーケードでも人気の、超有名キャラクターが登場する某カートレースに強く影響を受けているといえばわかりやすいでしょうか (笑)。 また、緻密な物理計算にもとづいたマシンの挙動や武器の特性は、これまでのゲーム機では表現しきれなかった、次世代機ならではの産物です。すべてが物理法則にきちんと従っているからこそ、作り手も計算していなかったような意外な楽しい使い方をユーザーの皆さん自身が見つけてくれるのではないかと期待しています。プレイヤー自身の「次はこうやってしてみよう、こうしてみたらどうだろう」という、創意工夫が反映されるゲームこそ、私たちが次世代機で作ってみたいと考えていたものなんです。
――具体的に、武器はどういったものが用意されていますか? ゲーム中は、9 種類の武器が用意されています。いくつか挙げると、まずは「マグネット」。敵の機体にくっついて、その重さでバランスを崩してしまうというものですが、どの位置に何個張り付けるかによって、機体に与える影響が変わってきます。それから、「フォースブラスト」。エネルギー爆発を起こすもので、自分の後方で爆発させれば、自機にくっつけられたマグネットを外したり、爆風に煽られるかたちでスピードを上げることができます。これを前方に打てば、自分の前を行く敵の機体を吹き飛ばしたり、壁を破壊して進路を邪魔することが可能になります。 武器の中で 1 番手こずったのは「ケーブル」ですね。ケーブルの要素は、企画の段階から盛り込みたいと思っていたのですが、物理法則に則った挙動をさせるというのがかなり難しくて。1 度断念しかけたのですが、何とか復活させることができたという武器なんです。コーナーを鋭角に曲がりたいときに、たとえばケーブルを壁に貼り付けて、慣性で機体を高速ターンさせるというような使い方ができたら楽しいだろうなと考えたわけです。作っていく途中で、敵の機体同士 2 機をケーブルでくっつけて妨害しちゃうのも面白そうかなと。このケーブル、それ以外にも変わった使い方はまだまだできそうなので、いろいろ試してみていただけたら嬉しいです。武器を入手すると、ついつい使いどころを見計らって、ギリギリまで溜めておこうという意識も働いてしまうと思いますが、とにかくいろいろ使ってみてください。

――近未来の世界を舞台にされているとのことですが、あえて大自然をコースにしているのはなぜですか? とにかく大自然の中を自由に飛びまわりたい! という発想が最初からあったんです。「近未来のレース」というと、これまではたいてい、人工的に作られたコース上で競い合うというものでした。せっかく次世代機でやるんだから、狭いコース上の範囲内だけでなく、たとえば自分なりにショートカットコースを見つけたり、自分でいろいろ試せるようなものがいいなと考えました。ただし、あまり自由になりすぎると、今度はゲーム性を成立させることも難しいので、そのあたりのバランスには気を使いました。大自然の中で、地上数メートルを疾走するという感覚は、風景の変化をより感じられる分、相対的な速度を体感しやすいのではないかなと思います。時速 900 km の世界を、リアルに体感していただけますよ。
――本作をプレイする上で、ちょっとしたコツなどはありますか? そうですね、アクセルとブレーキのボタンを同時押しすることで、ブレーキブーストという機能を使うことができるのですが、まず、スタートダッシュをするときに、アクセルを吹かして溜めるような感じにしておいて、この方法を試すと、反動でスタートダッシュがバーンと決まる。ただ、タイミングよく使わないと、オーバーヒートして機体を損傷してしまうこともあるので注意が必要です。このブレーキブーストは、スタートダッシュだけでなく、いろいろな武器が自分の機体についてしまったときに、それらを振り払うために使うこともできます。攻撃されそうになったり、されてしまったというときに、いかに素早くこういった機能を使って回避するかというのも、駆け引きのひとつです。 また、選ぶ機体にもポイントがあります。それぞれ特徴を持った 4 種類の中からマシンを選ぶことができるのですが、初心者の方には、コントロールしやすい「Mercury Class」や「Phoenix Class」を最初に選ぶことをおすすめします。スピードに乗って慣性をうまくコントロールできるようになるまでは、コントロール性重視のマシン選びをしたほうがよいでしょうね。ただやはりコントロールのいいものは、性能的にはトップスピードの機種には劣るので、慣れてきたら、その他の機体も使いこなして、自分なりのチューンナップを見つけてみてください。
――今後、Xbox 360 でどんな作品を作りたいと考えていらっしゃいますか? 今回、次世代機で一体何ができるかというところから出発して、「物理エンジン」という切り口でこの作品を開発してきたのですが、私たち開発側としては、今までの延長で、グラフィックなり環境といったものがレベルアップしたという程度だったら、ユーザーの皆さんから大きな支持は得られないだろうと思いました。「新しいことがやりたい!」という一念で、カナダの開発チームも含めて一丸となって取り組んだのが今回の『Fatal Inertia』です。これから、もし新しいものを手がけるとしたら、原点となる発想は同じです。今までに実現できなかった切り口を、どんなかたちで「次世代機ならでは」というところに落とし込んで、ユーザーの皆さんに味わっていただくか。そういったことを考えて取り組んでいきたいと思っています。 また、Xbox 360 では、Xbox LIVE は非常に強力なツールだと思っています。Xbox LIVE を使って、また今までとはちょっと違った遊び方の提案ができないかなと考えています。『Fatal Inertia』でも、最大 8 人での対戦ができるだけでなく、新しいマップやカスタマイズ用のパーツといった追加コンテンツを提供することも検討していますので楽しみにしていてください。
――最後に、メッセージをどうぞ! 大自然の中、地上スレスレを時速 900 km オーバーで疾走する感覚、物理法則に基づいた武器をうまく使いこなしてレースを勝ち抜いていくという楽しさをぜひ感じていただきたいと思います。私たちが想定した使い方だけでなく、ユーザーの皆さん自身が、どんな面白い遊び方を見つけてくれるのかというところも、非常に楽しみにしています! |