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『トラスティベル ~ショパンの夢~』スペシャルリレーインタビュー第 4 弾
生きていくことに悩んでいる人へ――「新しい扉を開く作品です」

『トラスティベル ~ショパンの夢~』
ナレーション 森本 レオさん


【経歴】
1943 年、 愛知県出身。68 年『ミッドナイト東海』の DJ として若者の支持を得る。以降役者、ナレーターとして幅広いキャラクターで活躍。おもな出演作は映画『キッズ・リターン』 (96年)、ドラマ『ロングバケーション』『ショムニ』(CX)、『スカイハイ2』(ANB)など。またナレーションでは『きかんしゃトーマス』 (CX) を始め、多数の映像作品に出演。森本レオ朗読・監修による、絵本ビデオ『れおんじ村のメルヘン畑』シリーズ vol.1 ~ 4 巻も、好評発売中。(Columbia Music Entertainment)

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――ご自身では初となるゲームのナレーションですが、依頼があった最初の印象は?

ゲームの仕事は、前からすごくやってみたかったんですよ。なのに、これまでちっともそういう話がこなくて (笑)。だから、『おおっようやく来たか、待ってました!』という感じでした。というのも、僕自身、ゲームというジャンル自体にもともと興味があって。
僕は昔から映画が好きで、映画史を調べたりもしているんだけど、アメリカに初めて映画館ができたころって、映像だったり、ストーリーだったり、”知恵” や “アイディア” という部分に関して非常にめざましい開拓があったんですよ。でも、現在では、映画に関してはもう、そういう部分って飽和状態になっているところがある。たとえば、「定石」とか、「型」とかいわれるものがあり、それは創り手にとってはあくまで破っていくための足場なんですね。今、映画界は「完成期」とでもいえばよいのかな、その足場に縛られちゃっているというところがあるんだけど、ゲームはまだまだ、「その殻をどうやって破るか」っていう戦いをしていて。ゲームは今、映画ができた時代に一番近い状況にあるんじゃないかな。それがすごく面白いなあと思うんです。だから今回、こういった画期的な作品に参加できたっていうのはとっても嬉しかったですね。


――今回の『トラスティベル ~ショパンの夢~』は、どういったイメージでナレーションを読まれたのですか?

ゲームの開発とナレーションの収録が同時進行だったので、事前にもらえる情報が少なかったんですよね。だから、イメージを自分の中に構築するのは非常に難しかった。ディレクターさんからは “オーソドックスなキッチリ感のあるものじゃなくて魔法な感じ。でもちゃんとしてるナレーション” っていう指示があったんだけど、「魔法な感じってなんだよー!」みたいな (笑)。舞台が「ショパンが見ている夢の中の世界」ということで、足元が安定していない、着地はしているんだけど、フワっとしていて……という 4 次元的な感覚かなと自分で考えながら、感じながらやらせていただきました。でも読んでいてすぐ 3 次元に降りてきちゃったりするし、ホントに難しかったねえ (笑)。今回は、起が転であり、結が起であり、転である……という感じのナレーションだったので、うかつに起承転結してしまわないようにという部分も少し意識しました。
「あそこで読んだナレーションの風景が、どこでどうつながっていくんだろう」と楽しみな反面、僕、気がちっちゃいから、それが上手くいっているのか不安でもあったり (笑)。あとはもうディレクターさんのセンスと手腕に任せるしかないですね。ぜひ続編を作ってもらって、またもう 1 回リベンジしたいです (笑)。



――森本さんが考える、『トラスティベル ~ショパンの夢~』の魅力について教えてください。

僕自身、なんでだかわからないんだけど、大げさにいうと「地球に対する鎮魂歌 (レクイエム)」みたいなものをこの作品に対してすごく感じるんですよね。それは “ショパン” という人物をキーとしたメッセージかもしれないし、”トラスティ (信頼)” という言葉からくるものかもしれない。ショパンという人は、19 世紀の音楽界において、飛び抜けて 20 世紀に近い感性を持っていた人だと僕は考えていて。たとえば同じ 19 世紀の音楽家であるベートーヴェンなんかは非常に熱い生き方をしているんだけども、ショパンはどこかさめているというか、時代や自分に対する “あきらめ” があったように思う。ショパンの持つこの「優しい潔癖さ」みたいなものは、次世紀の予感めいたものでもあったんですよね。この『トラスティベル』に関しても、「このままだと人類に先はないぞ」という、今の時代に対するやるせなさ、やりきれなさみたいなものが込められているように感じるんです。ただそんな中でも、どこかでもう 1 回人間を信じたい、信じさせてほしいというメッセージがストーリーの主軸にある。だから本当、こういうものは昨今の政治家たちに見せてやりたいよね (笑)。


――実際、この作品をどんな人にプレイしてもらいたいと思っていますか?

僕はあんまり、学校の勉強で教科書とかほとんど見なかったんですよ。なんだか、つまんなくて。むしろ、マンガを読んで人生の大切なことを学んだんですね。マンガには、教科書では教えてくれないような、心にしみることがたくさん描いてあった。だからこの作品も、今、学校で「なんだか違うぞ」って感じている人たちにまずプレイしてみてほしいなと思います。今の時代に疑問を感じて、行き場がわからなくなっちゃっている人たちに、学校の教科書だけが扉じゃないんだぞってことを知ってほしいですね。


――最後に、ユーザーの皆さんにメッセージをどうぞ!

この作品できっと、新しい扉が開くと思います。それはこの 21 世紀にはどんな扉が開いていくのかということでもあるし、また、生きていくことに悩んでいる人への扉でもあります。ぜひ、この作品をプレイして、何かがんばってみよう、という気持ちになってもらえたらいいなと思います。

トラスティベル ~ショパンの夢~

1849 年 10 月 16 日深夜、パリの中心部にあるヴァンドーム広場 12 番地のアパルトマンでピアノの詩人と呼ばれた音楽家“ショパン”は病の床に伏せながら、最期の夢をみる。 ショパンの意識は現実世界を離れ、おとぎ話に聞くような不思議な世界に足を踏み下ろした。そこでは現実世界と同じように、人々がありふれた日常を様々な感情を抱きながら、当たり前のように生きていた。 唯ひとつ違ったことは、夢の世界において不治の病に侵された者は、その副作用として魔法の力が宿ること。現実世界で病床にあるショパンもまた、魔法を使うことができた。夢の中でも、彼の体は病に蝕まれていたのだ。その皮肉もあって、ショパンは夢の世界を客観的に捉えていた。ここにあるものすべては、自分が作り出した幻に過ぎないのだと… だが、病に侵されながらも運命を受け入れ、懸命に生きようとするひとりの少女“ポルカ”がショパンの考えを少しずつ変化させて行く。誰もが心の中に持つとされ、綺麗な信じる心を反映して輝く「トラスティ」という宝石。この「トラスティ」の輝きが強すぎるため、少女はさらに過酷な運命へと誘われてゆくことになる。そんな運命に抗い、必死で彼女を救おうとする少年“アレグレット”。運命に従う少女と逆らう少年、そして夢と現実。 相反する 2 つの事象が絡み合うとき、運命の歯車は静かに逆転を始める――

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